近年、故人の個性や生前の意向を尊重する「自由葬」が増えています。宗教儀礼にとらわれない分、参列する側としては「どんな服装で行けばいいのだろう?」「香典はどうすればいいのだろう?」と戸惑うこともあるかもしれません。自由葬に参列する際に知っておきたい基本的なマナーについて解説します。まず服装ですが、最も重要なのはご遺族からの案内に従うことです。「平服でお越しください」と案内がある場合は、必ずしも喪服である必要はありません。ただし、派手な色柄は避け、落ち着いた色(黒、グレー、紺など)の服装を選ぶのが一般的です。男性であればダーク系のスーツ、女性であればアンサンブルやワンピースなどが適切でしょう。案内がない場合は、念のため一般的な喪服を着用するのが無難です。次に香典(不祝儀)についてです。自由葬では、ご遺族が香典を辞退されるケースが少なくありません。案内に「香典はご辞退申し上げます」といった記載があれば、その意向を尊重し、香典は持参しません。もしどうしても弔意を示したい場合は、供物や供花を贈ることも考えられますが、それらも辞退されている場合もあるため、案内の内容をよく確認するか、事前にご遺族に確認するのが丁寧です。香典辞退の案内がない場合は、従来の葬儀と同様に不祝儀袋を用意します。不祝儀袋の種類(黒白水引など)、表書き(御霊前、御仏前など)、薄墨の使用、金額の目安などは、一般的な仏式葬儀のマナーに準じれば問題ありません。自由葬は式の流れも故人やご遺族の意向に合わせて様々です。従来の葬儀のような厳粛な雰囲気だけでなく、故人を偲んで和やかに語り合う場となることもあります。どのような形式であっても、故人への追悼の気持ちと、ご遺族への心遣いを大切にすることが最も重要です。案内に注意し、不明な点があれば事前に確認するなどして、失礼のないように参列しましょう。