葬儀や法事でお渡しする御供物には、弔事用ののし紙をかけるのがマナーです。こののし紙のかけ方には、「内のし」と「外のし」の二種類があります。どちらを選ぶかは、贈る品物や渡し方によって使い分けるのが一般的です。故人や遺族への心遣いを伝えるためにも、それぞれの特徴を理解しておきましょう。「内のし」は、品物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法です。このかけ方は、贈る側の気持ちを控えめに表したい場合に適しています。また、品物を配送する場合にも内のしが選ばれることが多いです。包装紙で保護されるため、配送中にのし紙が汚れたり破れたりするのを防ぐことができます。弔事においては、悲しみを共にする控えめな気持ちを示す内のしが選ばれる傾向にあります。一方、「外のし」は、包装紙で包んだ品物の上にのし紙をかける方法です。贈り物の目的をはっきりと伝えたい場合や、誰からの贈り物かが一目でわかるようにしたい場合に用いられます。持参して手渡しする場合によく使われます。これは、受付で誰からの御供物かを確認しやすいためです。ただし、外のしはのし紙が剥がれやすい、汚れる可能性があるといったデメリットもあります。弔事の御供物においては、品物を郵送することが多いため、内のしが一般的とされています。しかし、地域の慣習や遺族との関係性によって外のしを選ぶ場合もあります。どちらの方法が良いか迷った場合は、内のしを選んでおけば失礼にあたることは少ないでしょう。のし紙の表書きや水引の選び方も重要ですが、どのように品物にのし紙をかけるか、そしてどのように遺族にお渡しするかも大切なマナーです。品物を持参する際は、のし紙が折れたり汚れたりしないよう、風呂敷などに包んで持っていくのがより丁寧な方法です。心を込めて選んだ御供物を、適切なのしのかけ方で贈ることで、より気持ちが伝わるはずです。
御供物ののし「内のし」「外のし」どちらを選ぶ?