会社から供花をいただいた場合、最も丁寧で正式な感謝の伝え方が、後日送付する「礼状(お礼状)」です。この礼状は、ビジネスマナーの一環でもあり、社会人としての品格を示す上で非常に重要です。ここでは、その基本的な構成と文例をご紹介します。まず、形式ですが、白無地の便箋に、縦書きで、筆または黒のペンを用いて書くのが正式です。パソコンで作成したものでも失礼にはあたりませんが、手書きの方がより心のこもった印象を与えます。宛名は、会社の代表者名(例:「株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇様」)とします。差出人は、喪主の氏名です。文章の構成は以下のようになります。①頭語:「拝啓」など。②時候の挨拶:これは省略するのが一般的です。すぐに本題に入ります。③葬儀への参列や供花へのお礼:故人の俗名を記し、「亡父 〇〇 儀 葬儀に際しましては、ご丁重なるご弔意ならびに立派なご供花を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます」といったように、感謝の気持ちを述べます。④葬儀が無事に終わったことの報告:「おかげさまをもちまして、滞りなく葬儀を執り行うことができました」と報告します。⑤故人が生前お世話になったことへの感謝:「故人が生前に賜りましたご厚情に、改めて深く感謝申し上げます」と伝えます。⑥今後の仕事への抱負と変わらぬ支援のお願い:「今後は、皆様にご迷惑をおかけすることのないよう、一日も早く気持ちを新たに仕事に励む所存でございます。何卒、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」と、職場復帰への意欲を示します。⑦結びの言葉:本来は直接お伺いすべきところを、書中にて失礼することへのお詫びを述べます。「末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます」といった一文を加えても良いでしょう。⑧結語:「敬具」など。⑨日付と差出人名:礼状を出す日付と、喪主の氏名を記します。この礼状は、忌明け(四十九日)までを目安に送付するのが一般的です。心のこもった一通の礼状が、あなたの感謝の気持ちを最も雄弁に伝えてくれます。