火葬を行ったその日のうちに納骨まで済ませる「当日納骨」は、遺族にとって多くの利点がある一方で、考慮すべき注意点も存在します。この選択をするかどうかは、メリットとデメリットの両方を十分に理解した上で、自分たちの家族の状況に最も合っているかどうかを慎重に判断することが大切です。まず、当日納骨の最大の利点は、遺族や親族の負担を大幅に軽減できることです。通常、納骨は四十九日法要に合わせて行われますが、そのためには改めて親族に集まってもらう必要があります。遠方に住む親族にとっては、葬儀と法要の二度にわたって時間と交通費をかけて移動するのは大きな負担です。葬儀の日に納骨まで済ませてしまえば、親族が集まるのは一度で済み、全員で故人を墓前まで見送ることができます。また、遺族にとっても、四十九日法要の準備という、精神的・肉体的な負担を減らすことができるというメリットがあります。経済的な観点から見ても、後の法要で必要となる会場費や会食費、お布施などを一度にまとめることで、結果的に費用を抑えられる可能性もあります。しかし、注意すべき点も少なくありません。最も大きなデメリットとして挙げられるのが、遺族が故人とのお別れをじっくりと惜しむ時間が短くなってしまうことです。本来、四十九日という期間は、遺された家族が少しずつ悲しみを受け入れ、心の整理をしていくための大切な時間(グリーフワーク)とされています。火葬後すぐに納骨してしまうと、自宅に遺骨がない寂しさから、喪失感がより一層深まってしまう方もいます。また、親族の中には、古くからのしきたりを重んじ、当日納骨に抵抗を感じる方がいる可能性も考慮しなければなりません。事前に親族間でよく話し合い、全員の理解を得ておくことが、後のトラブルを避けるためには不可欠です。さらに、当日納骨を行うためには、すでにお墓があり、納骨できる状態になっていることが絶対条件です。お墓がまだない場合や、墓石に戒名を彫刻する時間がない場合は、物理的に不可能となります。これらの利点と注意点を天秤にかけ、故人と遺族にとって最良の選択をすることが求められます。
葬儀当日に納骨する利点と注意点