会社関係からいただく供花には、会社名義のものだけでなく、「〇〇部 有志一同」や「〇〇課 職員一同」といったように、部署やチームの同僚たちが個人的にお金を出し合って贈ってくださるケースもあります。このような「有志一同」からの供花は、会社としての慶弔規定とは異なり、同僚たちの純粋な善意と弔意の表れです。そのため、会社名義の供花とは異なり、何らかの形でお返しの気持ちを示すのが、より丁寧な対応とされています。ただし、この場合も、一人ひとりに半返しのような厳密な香典返しをする必要はありません。なぜなら、一人当たりの負担額が比較的少額であることが多く、個別にお返しをすると、かえって相手に気を遣わせてしまうからです。最も一般的で、スマートな対応は、忌引き休暇明けの出社の際に、皆で分けられるような品物を持参することです。例えば、個包装になっているクッキーやチョコレート、煎餅などの詰め合わせが最適です。休憩時間などに、「この度は、皆様から立派なお花をいただき、本当にありがとうございました。故人もさぞ喜んでいることと存じます。心ばかりの品ですが、皆様で召し上がってください」と、感謝の言葉と共に手渡しましょう。この時、誰がいくら出してくれたのかを詮索したり、金額の多寡を気にしたりする必要は全くありません。「有志一同」という一つのグループとして、まとめて感謝の気持ちを伝えることが大切です。もし、特にお世話になった上司や、取りまとめ役になってくれた同僚がいる場合は、その方に対しては、別途、小さなハンカチやコーヒーのドリップバッグなど、個人的なプチギフトを用意してお礼を伝えると、より一層の感謝の気持ちが伝わるでしょう。大切なのは、同僚たちの温かい心遣いに対して、金銭的な対価として返すのではなく、感謝の気持ちと、これからも職場の仲間として良好な関係を築いていきたいという思いを、誠実に伝えることです。
「有志一同」の供花、お返しはどうするべきか