葬儀や法事の御供物にかけるのし紙には、様々なマナーがありますが、意外と知られていないのが水引の本数に込められた意味合いです。慶事と同様に、弔事の水引にも本数によって意味が異なり、贈る品の金額や弔事の規模によって使い分けるのが一般的です。御供物に適した水引の本数を知っておきましょう。弔事で用いられる水引の本数は、主に5本、7本、そして10本があります。最も一般的なのは5本の水引です。これは、一般的な御供物や香典など、通常の弔意を表す際に広く用いられます。特に金額が高額ではない場合の御供物には、5本の黒白または黄白の結び切りがよく使われます。一方、7本の水引は、5本よりも丁寧でより丁重な気持ちを表したい場合に用いられます。高額な御供物を贈る際や、故人との関係が特に深かった場合などに選ばれることがあります。ただし、地域によっては7本が標準とされる場合もあります。10本の水引は、主に慶事の際に用いられる本数ですが、弔事においては、特別な場合、例えば会社の代表として非常に高額な供物を贈る場合などに、例外的に双銀の水引で10本を用いることがあるようです。しかし、これは非常に稀なケースであり、一般的な御供物には5本または7本の水引が使われると覚えておけば問題ありません。御供物ののし紙に使う水引は、繰り返しを避けるという意味で「結び切り」または「あわじ結び」が基本です。これに適切な本数の水引が印刷されたのし紙を選びます。品物の金額や贈る側の関係性、そして地域の慣習に合わせて、5本か7本かを選ぶようにしましょう。水引の本数以外にも、表書きや名前の書き方、内のし・外のしなど、御供物ののしには様々なマナーがあります。これらの細かい点に配慮することで、故人への供養と遺族への心遣いがより丁寧に伝わります。不安な場合は、品物を購入するお店や地域の詳しい方に相談することをおすすめします。