会社の規定によっては、福利厚生として会社名義の供花と、別途、慶弔見舞金としての香典の両方をいただく場合があります。また、会社名義の供花とは別に、部署の有志一同から香典をいただくケースも考えられます。このように、供花と香典を両方いただいた場合、そのお返しはどのように考えれば良いのでしょうか。基本的な考え方は、それぞれのご厚意に対して、個別に対応するということです。まず、会社名義の供花については、前述の通り、原則として品物でのお返しは不要です。忌引き休暇明けに、口頭での御礼と、後日、会社代表者宛に礼状を送るのが正式な対応となります。次に、会社名義の香典(慶弔見舞金)ですが、これも福利厚生の一環であるため、基本的には品物でのお返しは不要とされています。供花へのお礼と合わせて、礼状の中で「ご丁重なるご弔慰金まで賜り…」といった形で、併せて感謝の気持ちを伝えれば十分です。問題は、部署の有志一同など、個人的な形で供花と香典の両方をいただいた場合です。この場合は、同僚たちの個人的な善意によるものですので、何らかの形でお返しをするのが丁寧です。この場合、供花の代金と香典の金額を合算し、その合計額の三分の一から半額程度を目安として、お返しの品物を選びます。ただし、これも厳密に計算する必要はありません。例えば、「〇〇部 有志一同」としていただいたのであれば、少し上質で、皆で分けられるようなお菓子の詰め合わせを一つ用意し、「この度は、お心のこもったお花とお香典までいただき、本当にありがとうございました」と、両方への感謝を込めてお渡しするのが、最もスマートで現実的な対応でしょう。大切なのは、いただいたご厚意の形(供花か香典か)や金額を細かく区別することよりも、その背景にある同僚たちの温かい気持ち全体に対して、一つの感謝の形として、誠実に応えることです。
供花と香典を両方いただいた場合の対応